これを建てれば安心!倒壊しにくく経済的な家がいま最も必要とされています

家曼荼羅 - ieMandala ‘06の発表にあたって

 建築の設計は住宅に始まり住宅に終わる。ちょうど魚釣りはヘラブナ釣りに始まりヘラブナ釣りに終わるように。住宅設計はロマンであり、物語であるともいう。即ち人の住処を築くということは小宇宙を築くということに通ずることでもあると思う。太陽の有り難い恩恵の根源「大日如来」を中心にして描かれている胎蔵界曼荼羅は女性の腹の中を表したものだという。

 私は約30年前、自社パンフレットの作成にあたり、従来もっていた発想の転換を試み、今思えば稚拙な発想であったが、正方形の住宅の2階を45度ツイストした設計をし、模型を作り、写真撮影し、発表した。しかし結局、安定性に問題があり建てる人がいなかった。それから約12年後、安定性を確保した正方形ツイストの、現在のものとほぼ同じ型の家を建てたのだ。

 この「家曼荼羅 - ieMandala ‘06」は、外周の耐力壁を屏風状の直角2等辺三角形で取り囲んでおり、その陰影ある対称性幾何学模様の外観は、企画を進めるうちに発展させた屋根の形状とともに、当初の考え以上に斬新な印象のものになったと感じている。もちろん日本の荒ぶる自然、地震や台風に耐えることを第一と考えたもので、それに加えて、この型が比較的簡単に建築でき、住み心地のよい構造体になることを考えて設計した。

 今日日は大企業が住宅産業に進出してきて、諸事情が絡み合い、住宅は自分で作るものではない、買うものだという風潮が出来上がってしまっている。工務店や大工は大部分、その下請けになってしまい、その誇りも捨てざるを得ないような有様である。

 今こそ、工務店、大工は矜持を取り戻し、地場産業に徹し、適正利潤を確保し、その代わり自分の建築した住宅のメンテナンスを引き受けることにすれば、よい結果が生まれると思う。

 わが社が今考えていることは、「家曼荼羅」の設計図書に基づく材料の用意、プレカットした部材の提供、または構造体のフレーミングまでとし、後は地元の大工、工務店、各職方に直接お客様より注文してもらい、その仕事を成し遂げることがこの業界の理想ではないだろうか。

 北米では現在10数パーセントの割合で素人の方が自分で家を建てているという。ツーバイ工法は、合理的な考えに基づき、部材の種類を少なくし、部材を載せ重ね、釘打ちで組み上げる実に簡単な工法です。

 「家曼荼羅」は、大昭建築事務所のリセントホームで培った、ツーバイ工法を日本化した技術に基づいており、ホゾや継手等の手間のかかる部分は可能な限り少なく、素人でも作りやすい住宅躯体です。対称性に基づいた設計であるため、全体の把握もしやすいと思われます。自分で建ててみたいという方がおられましたら、有料の会員組織をつくることも検討しておりますのでご一報ください。よいご縁がありますように。

大昭建築事務所
大田 昭二